経営者になるならCivilization 5をやれ
最近再開し、睡眠不足。
夢にまで出てくるので、戦略と戦術についていろいろと考えてたらPressoでこんな記事があった。
http://visionmission.hatenablog.com/entry/sonsi-keiei
そういや企業経営とかそういうので戦略うんぬん大事だとか、孫子の兵法でうんぬんあるなと。
色んな人がちょくちょく話題にしているし、みんな戦略的に考えなければと勉強に必死だ。
そこでCivilization 5です。
ストラテジーゲーム。そう戦略のゲームです。
これをやれば戦略的という視点が理解できる。
Civilization 5はどんなゲーム?
Sid Meier's Civilization(R) V (日本語版) [ダウンロード]
- 出版社/メーカー: 2K Games
- 発売日: 2010/09/24
- メディア: Software Download
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Civilization 5(以下Civ5)は1プレイ4時間〜と、貴重な時間と体力を消費して脳内エンドルフィンを分泌させる電子ドラッグ。
古代から現代まで生き続ける指導者として自文明を勝利に導くゲームです。
寝不足になりながら何プレイも繰り返し、こんなゲームに時間と体力を費やしたことを悔いて止めるが、なにかのきっかけでCiv5や他のCivを始める中毒ライフをおくります。
Civ5における勝利条件は軍事的、文化的、科学的、外交的なものがあり、そのどれかを自分で選択し、それにむかって邁進します。
戦略と戦術の違い
考えるスケールの違いが決定的な違い。
概念的には分けられる(区別すべき)けど、実際は境目が曖昧。
これは戦略目標の達成に戦術が必要であるのと、個々の置かれた立場によるものだと思う。
企業なら経営者が決めるのが戦略で、現場管理職が考えるのが戦術。
なんだが、さらに親会社があるとかだとさらに上で戦略が出てくる。
例えるなら
戦略を立てることはゴール決めと地図を描くことで、戦術はゴールへ向かう最適な方法かな。
戦略
Civなら勝利するとか、企業なら大きな利益を出すとかいうのが真の目的だけれど、そんな当たり前なことをゴールにしようとすると戦略は立てられない。
自分の理念から軍事による勝利なのか、自社製品による利益なのか、とにかく自分はどうしたいのかを決める。
戦略でのゴールは、それが自分から見て北なのか南なのかという方位が分かる。
ただ、自分から北にあるからといって馬鹿正直に北へ目指さなければいけない理由はない。
そして地図を書く。
最短距離でいくのか、行きやすい地形を選ぶのか、空を飛ぶのか。
地図とは企業戦略でいうストーリーとかシナリオとかいうもの。
詳細な地図ではなく、ゴールまでの距離や海などの明らかな障害については分かる程度の。
いつまでにどうやって進むのかを考え地図を描くが、
自分の置かれた状況によっては戦略上重要な障害をクリアするための準備(資金調達、人員育成や雇用、新兵器開発の必要の有無)をする必要がある。
自分の置かれた状況をよくわかっていないと、有効な戦略を立てられない。
戦略はこういった感じなので、実行すると一度決めたら変わらない。
自分では実行可能な長期プランだからだ。
勝てるのに変える理由はない。
戦略の変更を迫られた時というのは負けたのと同じ。
被害を最小限にして撤退するくらいしかない。
そして戦略はおおっぴらに公開しない。
自分にできるということは似たような立場の他者や強者にもできてしまうから。
企業の場合、上場企業のような強者は情報開示の必要性から戦略をばらさないといけないので、当然弱者の戦略とは異なった戦略となる。
企業経営にて「兵は詭道なり」ができるのは非上場企業だけ。
作戦・戦術
与えられた条件から、ゴール到達のために要所で必要な方法。
戦略が決定することでゴール到達までの様々なプロジェクトが必然的に立ち上がる。
このプロジェクト立案は作戦。
持っているリソースの投入量であるとか、実行時期や達成までの期限を決める。
もちろん戦略に合致しないプロジェクトはそもそも立案してはいけない。
各プロジェクトを成功させるための方法が戦術。
新製品の開発であるとか、営業部隊の増強とか、エンジニア強化教育とかいう実行が決定された各プロジェクトを成功させるための方法。
企業経営における戦略とよく勘違いされるが、これらは作戦・戦術だ。
特に作戦レベルは戦略だと思われがち。
なので戦略なき謎のプロジェクトが実行される。
社員は給与がでるのでいいけど、企業は成長しない。
与えられた条件や既知の障害など、到達までの道のりが困難なほど高度な作戦・戦術を要求される。
戦略上重要なビックプロジェクトでない限り、失敗しても戦略目標は達成できる可能性は十分ある。
実際にどのように戦略を決めてるか
企業経営だと10年先とかを見据えて決めるだろうけど、Civ5はコンパクトなので4時間くらい先を見据える。
最初にさまざまな特性をもった文明から1つ選ぶ。
戦争向きの文明や内政向けの文明などがあるので、自分のやりたいプレイ、
戦争しまくって勝利するか、科学技術を極めて勝利するかという方向性を決める。
ゲームを開始すると、自動生成されたマップに1体の開拓者と1体の戦士が放り出され、任意の場所に都市を立てる。
都市を建設したあとは、その都市から何を生産するか決め、戦士は自文明の周りの状況を探索する。
探索の結果判明した情報から第2都市の建設予定地や、軍事的要所、仮想敵(他文明)、自文明の強化する点、兵站整備などを不明な情報のリスクを考慮して決める。
自分の置かれた状況が判明するので、大体の場合この段階が戦略の決定段階。
開始20分位だろうか。
あとは個々の必要なプロジェクトを様々な戦術を用いて達成するだけ。
だが、この段階での戦略は不確実性があることが多いので仮段階の場合もある。
運悪く重要な戦略資源(鉄など)が得られない場合などがあるため。
まあ大体Bプランを立てていて、より詳細な情報が判明したらどちらかを採用という形が多い。
他文明から輸入するとか。
初期の戦略では勝てない事がわかると、別の戦略を立てたりする。
ゴールを変えることなので、こういう場合勝利は難しく、それまでの活動がほぼ無駄になるのでクリアまで時間がかかる。
そこから巻き返すのも面白いのだが、負けたのでリセットして最初からやり直したりする。
おわりに
だらだらと書いてたらCivりたくなってきたので終わりにしたい。
まあCivに限らないけど、戦略的思考を求められるものをやると自然と戦略とはどういうものかわかってくると思う。
日本企業は戦術レベルはまあマシけど戦略が?とよく聞く。
意味不明な作戦や、ブラック企業に始まる兵站軽視な会社が多いしそうかもね。
兵站軽視ということは拡大する気がないのか、まともな作戦がないのか。
夢のない経営者が多いのか、理解してくれない参謀だらけなのか。
最近の孫子の大河ドラマ(騎馬してるなどファンタジーだが結構面白い)でも兵法の真髄である戦わずして勝つという戦略思想を王たちは理解してくれず、兵法を用いて戦争に明け暮れてたので孫武が去ってしまうというラストだったな。たしか。