論理的思考のススメ
以前に「論理的、理論的、合理的の違いについて」というエントリを書いたが、「論理」の部分に重きを置いて書いてみる。
論理がありがたがられるのは
- 論理は他者と共有できる
- 結論を導く過程を単純化、構造化ができる
ためである。
ある主張を他者に理解してもらう、説得するためという目的達成に論理展開は非常に強力なやり方。 副産物である単純化や構造化をすすめることで新たな発見(結論とは異なるかもしれない)をすることもある。
人は理由を求める
赤ちゃんはどこからくるの?
僕の年収が少ないのはなぜ?
疑問というカタチで人は何にたいしても理由を求め、真偽はともかく答えを持っている。場合によっては保留かも。
まあとにかく 「理由があって、答えがある」この人のもつ性質のお陰で論理が他者と共有できる。
多くの場合、これそのままを論理的だと間違えるが、論理における理由がもっと素朴で単純。
別物と考えたほうが間違いが少ない。
論理に使われる理由は「主観的要素が無い理由」と考えると良い。
論理
真偽がわかっている事柄(事実)を集めて、命題に対する解(結論)を求めるやり方が論理の基本的なやり方。 真偽をわからない場合は定義であったり仮定を使ったりするが、扱い方自体はは事実と変わらない。
AならばB
BならばC
といった事実や仮定を並べ、結論へ導く。
論理的思考(いわゆるロジカルシンキング)
学問における論理とは違ってラフ。
「論理で考える」というより「論理的に考える」。
論理のような考え方がしっくりくるかな。
主張をより理解、説得しやすくするために論理で使われるような根拠の付け方をする考え方。 的確に意図を伝えるための考え方。
単純化や構造化
複雑なものを分解して単純にしたり、単純なものの繋がりから構造を明らかにしたりということは程度はともかく多くの人がよくやっている。
単純化の例は具体性を取り除き抽象化する、データに統計処理を行うなどがある。 構造化の例は図解などがメジャーだ。
どちらも主張の説得力を高めるが、適切で無いと意味不明になる。
定量分析を読め
ビジネスで役立てるためなら、ロジカルシンキングを一生懸命学ぶよりもこれを10回読め。 定番だが、マジで読め。
脱サラしたコンビニオーナーとして求められる様々な場面での合理的意思決定の手法を物語っぽく学べる。
著者が定石と呼ぶ各種の強力な理論を用いた合理的な意思決定は、
主観的要素を極力配した定量分析とそこから論理的になされる意思決定といえる。
ロジカルシンキングでしょ。
本ではコンビニオーナー自分自身での具体性の強い意思決定を扱っているが、別に他業種や他人の意思決定を促すのにも使える。あくまで具体例だからね。
個人的にはビジネス関連書籍はこれ1冊をよく読んでおけば良いと思う。
MECEやロジックツリーなどなど
いわゆるロジカルシンキングで使われる手法にMECEやロジックツリー、So Whatなどのやり方がある。 これは論理そのものではなく、結論へ導く根拠の単純化や構造化の助けとなる手段。 テクニックなので、MECE等を使わなければならない絶対的な理由はない。
論理的に考えることができれば知らなくても良い。
人は論理のみで動くものではない
ビジネスにおいて論理的思考なるものがもてはやされているが、人は論理のみで動かない。 論理がもつ利点は強力だが、それだけに頼ってはビジネスなどの社会的な活動は難しい。 論理的に正しかろうがダメなものはダメ。 論理的に考えることは必須だが、注意して使おう。
おわりに
ロジカルシンキングは論理もどきだよということを書いた。 論理的であるかは気をつける程度にしておけばよい。 定量分析の本を上げたのは、「論理を学ぶなら理論を真似る」というところから。 武道や芸道での守破離の守ですね。