荒木飛呂彦の漫画術が面白い
新書の売れてるコーナーっぽいところにあったので、なんとなく手に取ってみた。
「ジョジョの奇妙な冒険」などで有名な著者、荒木飛呂彦先生は、この本を「王道漫画の書き方に関するハウツー本」と位置づけており、想定する読者は「漫画を描きたい人」であるとしている。ただ、それは「一応」のメインターゲットなだけであり、序章には「たぶん漫画家志望でなくても、なにかしら役に立つのでは?」というサブの狙いがあることが書かれている。 そんなサブターゲットにむけて分かりやすく書いてあるためか、非常に面白く、興味深く読めると思う。
フェルマーの最終定理みたいな、ドキュメンタリーものみたいな感じだ。
これは個人的なものかもしれないが、文章が読みやすい?のも素晴らしいと感じた。なんか、内容は濃いのにすんなりと読めてしまった。
どんな内容か
7章からなる荒木流王道漫画のハウツーと、その実践が後半にある。
- はじめに
- 第一章 導入の描き方
- 第二章 押さえておきたい漫画の「基本四大構造」
- 第三章 キャラクターの作り方
- 第四章 ストーリーの作り方
- 第五章 絵がすべてを表現する
- 第六章 漫画の「世界観」とは何か
- 第七章 全ての要素は「テーマ」につながる
- 実践編その1 漫画が出来るまで
- 実践編その2 短編の描き方
- おわりに
図説的に利用するのは著者自身の作品である「魔少年ビーティー」や「ジョジョの奇妙な冒険」といったものだが、本文中では孤独のグルメやこち亀、テルマエ・ロマエ、映画や小説など様々なヒット作のを例にあげて書かれており。「へぇ〜なるほど」と思うページがたくさんだった。
とくにジョジョのいろんな設定の理由とか裏事情など、事細かに説明しているので、少なくともジョジョファンにとっては確実に面白いと思う。
基本的にどこも参考になるし、面白いんだが、個人的にピックアップしたい部分を4つ。ちょっとだけ。
ボツ原稿をなくすには
編集者というのは漫画原稿の1ページ目を見ただけでボツを出してくる「最恐の読者」だ。
編集者からすれば、大量の持ち込み原稿を見ているのですから、一ページ目だけで、「これは、こういう漫画だ」という見極めができるわけです。それは読者も同じで、表紙を見て「いいや」と思ったら、もうその漫画を読んではくれません。
ではどうやって編集者に次のページを読ませるか? 著者が初めてそれを成し遂げた、つまりデビュー作となった「武装ポーカー」を題材に表紙から解説している。
漫画の表紙には主人公のキャラクターを描く、というのが正攻法です。けれども「武装ポーカー」は西部劇画、しかも、トランプのポーカーで戦うという異色作ですし、編集者に「ちょっと変わったヤツだな」と興味を抱いてもらいたかったので、普通に主人公を描くのではなく、あえて弾を受けてひっくり返っている男(顔は隠れていて誰だかわからない)の足が一番大きく描かれる構図にしました。そして、ポーカーで戦うふたりのガンマンたちの顔をトランプのカードに見立てて、周りに配置するという工夫をしています。
これは、他の投稿者は、登場人物をかっこよく描いたり、かわいい女の子を表紙に持ってくるだろうから、わざとちょっと外してみようと、手塚賞用に描き直した表紙です。また、「武装ポーカー」というタイトルは、暴力やゲームの雰囲気を感じさせます。
こんな具合に、表紙を解説。なにこの計算づくめ。
この後、物語の1ページ目や2ページ以降もどのように導入・展開させていったかも実際の漫画の絵を見ながら、解説を読むことができる。
絶賛された作品ではなく、当時まだまだ駆け出しの著者がベストを尽くした結果が「武装ポーカー」だが、どのような考えを持って描いたかを事細かに説明してくれる。
ジョジョ立ちはローマで生まれた
話は面白いが絵はヘタ。「武装ポーカー」はそんな評価を下された作品で、著者自身も当時は自分が絵がヘタ、自分の作品づくりに必要なだけの画力がないと認識していたそうだ。著者は基本的に「サスペンスものの漫画」が描きたく、そのためにはリアリティのある絵を描けるようにならねばならなかったし、漫画としてはただ上手いだけでなく特徴のある「自分の絵」を手にいれる必要もあった。
そして今日、ジョジョらしい絵というのはリアリティがありながら特徴のある、まさに著者が描きたかった絵だ。リアリティについてはデッサンなどの絵の基礎練習を数年続け、著者の絵のおおきな特徴、「ジョジョ立ち」と呼ばれるポージングは、イタリア旅行でたまたま入ったローマの美術館での体験がヒントとなったそうな。
この彫刻のようなねじれたポージングは日本の美術にはほとんどありませんし、これまでの漫画家があまり表現していないジャンルで、しかもいい意味で色気も出せる。それまでの修練で絵の基本はできていましたから、後は、イタリアで体験したことを取り込んで、自分の世界観のイメージを作っていけばいいわけです。こうして、「これが自分の絵だ」というものをつかんでからは、編集者からアドバイスされて悩むということが格段に減りました。
この体験がちょうどジョジョの連載前にあったという。 おかげで今のジョジョ立ちがある。
キャラ設定ならぬ身辺調査書
名前からして探偵の身辺調査のようなつもりで書いているのであろう、リアリティのあるキャラクターを作るための文書フォーマット。キャラの絵柄を決める前に書く。 著者が40年以上つづけている「秘伝のタレ」みたいなものとのことで、中学生時代に書くような感じではない。
ハリウッド俳優の過酷な役作りを参考にしてはじめたという、作るのが過酷な文書だ。
多様で細かい項目。「ひいきの店」とか、そんなことまで?ってのがたくさん。
先にこの文書を作っておくことで、キャラの絵柄やストーリーのヒントになったり、矛盾や作中のキャラ被りをコントロールするための有用な資料となるとのこと。(とはいってもすでにミスはある。でも週刊連載というハイペースかつ手探りで作りあげていくようなもんだしなぁ)
エンターテイメントは常にプラスへ進めろ
エンターテイメントのストーリーは常にプラスの状態へ進むべきという考え。 マイナスに向かうのは「王道」ではないと説いている。深みを持たせることができるなどの芸術的な価値は認めるが、下手にマイナスにするものではないし、基本的に喜ぶのはマニアみたいな奴だけ。ワクワクしたい、楽しみたいという一般的な読者の要求に応えるのにマイナスに進めるのは原則的になし。
どんどんプラスが積み上がっていく状態を作り出すために、1980年代の少年漫画家達が考えたのが、トーナメント制でした。トーナメント方式のように、一回戦、二回戦、三回戦……と順々に勝ち上がってきた敵と戦っていくわけですが、最後、頂点に立つまで必ず「上がって」いくことを読者も予想できます。「キン肉マン」や「ドラゴンボール」が代表的な作品ですが、トーナメント制にすれば、ヒット間違いなし、という手堅いストーリーになるわけです。
これもなるほどなぁと思った。思い返せばあの時代の人気漫画とか基本トーナメント戦があったあった。 この手法、あまりに手堅すぎで、人気が芳しくなった当時のジョジョに対し、トーナメント制導入したらどうか?などというアドバイスもあったとか。
ただしトーナメント制はどんな作品テーマや状況でも使える完璧な策というわけではなく、トーナメントに優勝してストーリーにが最高潮に達したその後、さらにプラスにするにはどうするのかが困難であるという欠点もある。 その欠点はジョジョの持つ大きなテーマに沿うものではないため、著者は「別のどんどんプラスが積み上がる策」を考案し、ジョジョの第3部「スターダストクルセイダーズ」が生まれた。
うーん、すごい。
おわりに
他にも世界観の作り方とか面白いと思うところがたくさんあった。
あくまで荒木先生の研究成果、荒木流漫画術であるので「不変の真理」であるかはわからないが、様々な物事への考え方・捉え方はとても参考になる。
聚福楼で羊の肉塊を喰らう
池袋西口にある、羊肉の炭火焼肉で有名な東北系中華料理店「聚福楼(じゅふくろう)」へ行ってきた。 人気&丸焼きの有無も考えると予約必須だが、また行きたい。
これが
これもんの
こうなる
感想
1枚目の写真(これは背中)の肉塊を炭火の上でくるくる回し、なんちゃらハンターみたいに「上手に焼けました〜♪」ってのは無理で、これは写真撮影用に用意してくれる見せ肉といったところ。
写真撮影が終わったら2枚目の写真(これは脚x2)のように厚切りにカットしてくれるので、これを3枚目の写真のように炭火コンロで乱雑に焼いて食う。
焼き終わったら、マイルドな辛さのミックススパイス(唐辛子系)をなすりつけて食べる。唐辛子で赤々としていて辛そうだが、七味レベルの辛さ。あとミックススパイスへの追いクミン用と思われるクミンシードなどが置いてある。
肉量の目安としては1部位が2〜2.5人前といったところか。わりとよく食べる人換算で。
羊肉はそんな食ったことないが、スパイス付けないで味見してみたところ、硬さや臭みが少ないと感じた。これは良い肉だと脳に訴えかける味。同席の北海道民からも評判良いようだし良いんだろう。あと羊以外にもウサギの丸焼きもあるらしい。
見た目が雑な麻婆豆腐とか普通メニューもうまかった。羊肉抜きの中華料理店としてもいいと思う。 こういった中華料理店は無駄にサワー類が大量にあるものだが、そう考えると飲み物の種類はやや少なめに感じた。
自分が食いたいときに食えないというところが残念だが、羊肉にあわせて予定を空ける価値はある。
Office 365 Solo for Macがいろいろお得な感じ
どうしてもMS Officeのファイルを見たり、時にはいじらなければならない時もある。そんな時はWindow環境でなんとかしていたが、 旧マシンをYosemiteにしてしまったのと、新マシンでのWindow7のBootCampサポートがされていないため、現在Windows環境がない。
というわけで、Office for Macを探しに行った。
従来通りの永続ライセンスのパッケージ版に加えて、月額課金制のSoloとかいうのがあった。
「あーそんなんあったなー」と思いながらちょっと良く見てみた。
単純に値段を比べると、パッケージ版は18360円の買い切りであるのに対し、Soloは年額12744円 or 月額1274円。
1年以上使うことを考えたら、パッケージ版がいいんじゃないかと思うが、総合してみたらSoloが良いと思った。
主な理由はOneDrive。
Officeはおまけだ。
実際OneDriveのおまけとして提供されているっぽい。
Office 365 Soloの良いところ
商用利用可能
電話サポート付き
使う機会は微妙だが、サポートありは良い。2台までのパソコンに導入可能
WindowsとOSXどちらも対応できる。OSXならfor Mac版をダウンロードできるマルチデバイス対応。PC本体に制限されたライセンスでないので乗り換えもできる。 使うかどうか微妙だが、iPhoneやAndroid端末は無制限。iPadには2台まで対応。OneDriveが1TB使える
これがすごい。
安定した運用ができそうな他社のクラウドストレージで同量確保するとなると、
1TB使えるサービス名 | 月額値段 |
---|---|
GoogleDrive | 約1200円(9.99ドル) |
DropBox | 1200円 |
Amazon CloudDrive | 約3333円(年額40000円) |
iCloud Drive | 2400円 |
OneDrive | 1274円(Solo付き) |
Box(無制限) | 1800円 |
という感じになる。 1TBのクラウドストレージを契約したついでに商用利用可能なMS Officeが付いてくると思えばいい。 ストレージとしてみると無制限であるBoxのビジネス向けプランが一番だが、個人利用のオンライン利用でのストレージで、1TB超えるような状況があまり考えられないのもあり、1TBで十分かと思う。
OneDriveはオンラインOfficeが使えるなど、アプリ連携したGoogleDriveに似ている使いごこちだ。どちらも無料で15GB使えるというのも似ている。
多分ろくに使わないサービス
毎月60分Skype無料通話
毎月60分Skypeから国際電話だろうが無料でかけることができる。自分が電話をかけなければならない状況を想定すると、多分トラブル系なので60分で済むか?と思う。あってもなくてもいい。
こんなのよりVisioを統合して欲しいんだがなぁ。
ライセンス認証がうまくいかない?
結論から言うと、2段階認証を外せば良い。あとボタンをクリックするよりエンターキーを使ったほうがいい。
正しいMicrosoftアカウントとパスワードの組み合わせのはずなのにうまくいかなかったが、 Ofiice用のライセンス認証アプリが2段階認証に対応できていないというアホ。
以下のページ
Account help - Microsoft Support
- 登録情報の確認
- Microsoftアカウントにログインする
- セキュリティとプライバシー
- 高度なセキュリティの管理
で2段階認証のON/OFFができる画面になる。
Office購入時でできあがるOffice.comのアカウント?とは別。 Office.comのアカウントと言っていいのかわからんが、Microsoftアカウントページとはなんか別の管理なようなので。
http://products.office.com/ja-JP/
ここで月額課金のキャンセルや、インストールするデバイスの管理などを行う。 あとOnline版のWordやExcelなどが使える。
365 Business(法人版)のほうがもっと得?
何台も持ってる人で、Accessとか使わない人向け。Soloにくらべて200円くらい安い。
- Word、Excel、PowerPointなどが使えるが、Accessだけは使えない
- Skypeの無料分なし
- 台数制限が5台に拡張(マルチデバイス対応)
- OneDrive for Businessが1TB使える
特に問題ないと思う。
おわりに
なんらかの理由で個人的にMS Officeを導入せざる得ない場合はSoloが良さそう。
シークァーサーのビアカクテル美味い
美味い。 いままで飲んだビアカクテルの中では一番いい。
オリオンビールとアサヒビールの共同開発商品で、数量限定らしい。http://www.asahi.com/articles/ASH4N5359H4NULFA00X.htmlwww.asahi.com
たしかにベースはオリオンビールっぽい、さっぱり爽やかな感じに加えてシークァーサーがちょうどいい塩梅に香る。たぶんシークァーサーの存在感が強すぎないのがいいんだろう。シークァーサー果汁0.2%だとか。統一感があるというか、「こういう飲み物」って感じがする味。コロナにライムって感じ。
発泡酒分類のため170円くらいと安いのもいい。
気に入ったけど、数量限定とのことなのでいつかは飲めなくなるようだが、 「ようはオリオンビールにシークァーサー果汁を添加すりゃいいんじゃろ?」と思って調べるとシーサーガフの素なるもの、濃州還元のシークァーサー果汁が出てきた。 このシークァーサー果汁をビールに混ぜるのは、シーサーガフと呼ばれる沖縄発のビアカクテルだそうだ。
なのでシークァーサー果汁さえ調達できれば、どっかでオリオンビールかシンハーみたいな夏向きの爽やか系ビール買えば再現できる?シークァーサーサワーとか焼酎の割もののとかにも使えそう。
参考になった名言7選とその感想
ゴールデンウイークというのに、ろくに飯も食わず、寝落ちするまでCivやらEndless Legendやらをやり続けていたらもう月曜日。内臓が弱ってる感覚がするタイプの疲労を覚えて焼酎が五臓六腑に染み渡る。
まあ5月ということで、なんか社会人として責任感云々だったりをやっておく必要があると思うので、やってみる。さぼってるし。 個人的に参考になっている名言の類と、それに対しどんな感想を持ったかのほうがいいかと思ったので7つ並べる。
1. 危険を避けるというのは、危険に曝すのと同じくらい危険な行為。人生は冒険か、無のどちらかしかない。(Helen Keller)
なんか昔伝記を読書させられた覚えがあるヘレン・ケラー。 「冒険してもしなくても危険だから無ではないほう(冒険する)に賭けろ」的な意味に受け取っている。なんかパスカルの賭けみたいな感じ。
2. 速度を上げるばかりが人生ではない。(Mahatma Gandhi)
核兵器持つと攻撃的になるイメージしかないガンジー。 基本的には「実利ばかり求めんなよ」という意味に受け取ってる。目的地へたどり着く道は一つではない的な意味もあると思う。
3. 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。(Otto von Bismarck)
鉄血宰相ビスマルク。 これは本来そのままだと、「歴史に学ぶ賢者たれ」という感じの格言だ。自分が過ちをおかさぬよう他者の先行例を参考にせよという。 それはそれで良いんだが、愚者も一発理解することができる経験というのものの強力さも示していると思う。なので、経験を積む機会・環境へは積極的に飛び込んだほうがいいと思う。
4. もう一度失敗せよ。より上手く失敗せよ。(Samuel Beckett)
サミュエル・ベケット。フランスの作家。エジソンの失敗は成功の母よりも好みで、「より上手く失敗しろ」というのが少しの改善の入れ忘れを防ぐ。これを忘れるとなにも変わらない、単純な失敗の積み重ねに終始しかねない。
5. しあわせはいつもじぶんのこころがきめる (みつを)
ラーメン屋とかのトイレで良く見るみつを。 まぁ、そっすねーって感じ。他人に決めてもらうものでないし。
6. 想像力は知識よりも重要だ。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む。(Albert Einstein)
アインシュタイン先生より。 想像力はどうしたら力がつくかわからない重要な力だし、そうだと思う。想像力を養ったり助けるために知識などをつける感じ。 自分を含めプログラマー的な人らの場合、知識に相当するのはプログラミング能力や既知のアルゴリズムなどだ。
7. 知らざるを知らずと為す是知るなり(論語)
為政篇。 なにが知らないことかを知っておく。ソクラテスやらの「無知の知」というやつだ。 敵を知り己を知ればの、己を知るのがこの知らざるを知る。
これは自己分析などでも同様の方針が使えて、なにが出来ないかはっきりさせると出来ることが際立ち、気が付きにくい「実は出来ること」が見つかったりするし。
おわりに
名言は大量にあるし7つに絞った。 番号振って並べたので7つになってるはず。 怠け者の自分を騙して奮い立たせたりするのに、こうした名言は有用。