SANMAN

思いつきの考えを垂れ流すブログ

誰もがクソ野郎になる

だれでもなりうる。

当然私も。

 

傍観者効果

社会心理学で集団心理のひとつとして「傍観者効果」というのがある。

過去にもWIREDとかで取り上げられてて割と有名な社会心理学の用語。

傍観者効果とは端的に言うと、変に「空気を読みすぎて」各個人が道徳的に正しい行いができなくなくなると言うもの。

例えばいじめの見て見ぬ振りとか。

 

傍観者効果が考えられたきっかけは、昔々アメリカはニューヨークで起こった事件「キティ・ジェノヴィーズ事件」が発端。

どれくらい昔かというと、プログラミング言語のBASICが動いた年、かっぱえびせんが発売された年のようだ。

この事件は、キティという20そこらの若いアメリカ人女性が強姦され、殺害された事件。

38人もの近隣住民が何度も襲われたキティの悲鳴に気が付きながらも、犯人が犯行を終える40分もの間、誰も警察に連絡もせず見捨てたという点が社会的に問題となったそうだ。

38人の沈黙する目撃者 キティ・ジェノヴィーズ事件の真相

38人の沈黙する目撃者 キティ・ジェノヴィーズ事件の真相

 

 

 

普通の人がなぜクソ野郎に成り下がるのか

傍観者効果は以下の3つの考えから引き起こされると考えられている。

 

1)責任分散

他者と同調することで責任や非難が分散されると考える。

2)評価懸念

行動を起こした時、その結果に対して周囲からのネガティブな評価を恐れる。

3)多元的無知

他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考える。

 

 個人的に3)が重要だと思う。

1)と2)はいわば「勇気」の問題だが、3)はそれとは違う。

屈強な海兵隊員とかでもなければ、自ら助けに行けないのは充分理解できるが、警察に連絡すらしないのは勇気の問題ではないと思う。

 

あとこの3項目を見てるとあああああああああってなる。

強殺事件のようなひどい事例とか関係したことはないが、見て見ぬ振りを決め込んだ過去の行動がよみがえる。

これまでの学校生活や仕事とかであるでしょ?

滋賀電車内駅構内連続強姦事件

2006年の事件。

ドイツワールドカップ開催やら1回目の安倍内閣が発足した頃。

あんまりな事件なので覚えている人もいると思う。

特急サンダーバードのトイレに連れ込まれ、強姦されたやつ。

こんなつい最近にも傍観者効果の実例が、国内であった。

連れ込まれる際に付近の乗客はおかしいと思いながらも車掌にすら通報できずに終わった事件。

社会問題にまではならなかったが、胸糞クソ悪い事件だ。

傍観者効果の例のような状況は防げないのか

かなり難しい。

滋賀の事件もそうだが、傍観者効果の例のような状況ではモラル低下の問題ではない。

日本人のモラルは地に落ちたとか言われたそうだが。

 

傍観者効果は「多くの人が見ている」からこそ発生する効果。

つまり目撃者が多い犯罪現場ほど、傍観者をつくりだしてしまう。

先にも書いた傍観者効果の3つの考えを見るとよく分かる。

すべて他者が居るという状況が重要な要素。

 

1)責任分散

他者と同調することで責任や非難が分散されると考える。

2)評価懸念

行動を起こした時、その結果に対して周囲からのネガティブな評価を恐れる。

3)多元的無知

他者が積極的に行動しないことによって、事態は緊急性を要しないと考える。

 

理想を言えば他者の事を考えず、自分の意志に従って行動できれば傍観者効果はなくなる。

そうは言ってもなかなかできないが。

傍観者効果を防ぐには、個人が気をつける以外に被害者側からの指名するというのもある。

「誰か助けて」ではなく「あなた助けて」と言う。

広く言えば、なにか緊急事態が起きたら「火事だ!」って叫んで周囲を巻き込んだほうが良いというアレ。

1)の責任分散を打ち消す事ができるわけだ。

人はミッションを与えられるとできる。

傍観者効果を知っていると、道徳的になれる

らしい。

自分が傍観者効果に陥っているというのを認識できれば、傍観者効果から抜けられるということかな。

まあ実際警察に連絡くらいはできるね。

したこと無いが、自分にはできない無謀な行為もしなくなる。

教室に乱入してきたテロリストをなぎ倒すとかグラマトン・クラリック以外無理っしょ。


Gun Kata Scenes - Equilibrium - YouTube

おわりに

社会心理学、集団心理面白い。

扱っている題材は難しいことだけど、事象自体はわかりやすいからね。

読み物として良い。

けどわかりやすいが故に鬱になる。

ゆえに現代社会にはガン=カタが求められる。

ちなみに集団心理もので面白かったのは以下の2つ 。

他は読んだこと無い。

群衆心理 (講談社学術文庫)

群衆心理 (講談社学術文庫)

 
服従の心理 (河出文庫)

服従の心理 (河出文庫)